VOICE

2025年3月掲載

VPデザイナー

NHKアートのデザインの仕事とは

2020年入社

奥深いバーチャルプロダクションの世界をチームで追求

NHKアートのデザイン分野には、「NHKスペシャル」などの解説CGや『チコちゃんに叱られる!』のチコちゃんの顔など、主に3DCGの制作やCG合成を扱うデジタルデザイン部門と、テロップデザインやイラスト、手持ちパターンなどの2Dグラフィックや印刷物を主に扱うグラフィック部門があります。

私は入社から数年間、研修を含めて両部門でバーチャルセットや番組のロゴデザインなどを経験し、現在はデジタルデザイン部門で大河ドラマのCG・VFXチームの一員として、バーチャルプロダクションの制作業務を担当しています。

バーチャルプロダクション(以下、VP)とは、リアルセットの背景に映像を映し出し、被写体と同時にリアルタイムで撮影を行う技術のことです。
NHKのドラマにおけるVPは、大河ドラマ『どうする家康』(放送:2023年)以降、本格的に導入されるようになりました。スタジオに設置したLEDウォールに映像やCGを映しながら撮影を行っています。

大河ドラマ『どうする家康』より浜松城のセット(画像提供:NHK)
セットの奥に見えるのがVPの背景CG

入社3年目にこのチームに入るまで、私自身はドラマ番組の経験も3DCGソフトの実務経験も浅い状態でした。
大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』のVP制作を担当するにあたり、自分で手を動かしながら勉強を重ねて技術を習得し、日々の業務に臨んでいます。

『べらぼう』のVPについては、こちらの記事でも詳しく紹介しています。

働く人も仕事の内容もさまざま!

入社以来5年間で、グラフィック、CG・VFX、VPとさまざまな業務を経験しましたが、NHKアートが扱う業務は本当に幅広いと感じます。
チームで仕事をすることが多く、自分が責任を持って担当する部分と、他の方と連携したり外部に依頼したりして進めていく部分の両面があり、制作スキルだけでなく、コミュニケーションスキルも必要です。
部内、チーム内でも、それぞれ専門や出身分野も異なる人たちが集まって連携して働いています。
また、担当する番組ごとに求められるアウトプットのかたちがまったく異なり、奥が深く、入社してから勉強することがたくさんありました。
わからないことがある時には相談に乗ってくれる先輩もたくさんいて、協力的な雰囲気の職場です。
たくさんのことを経験して、それを次の業務に生かしていくというサイクルで働き、成長したいという人には、ぴったりの環境だと思います!

ここに注目!大河ドラマ『べらぼう』 浮世絵風イラスト

大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』では、各話、実写映像が浮世絵風のイラストに切り替わったり、浮世絵風のイラストで物語の内容を解説したりする演出が登場します。この浮世絵風のイラストの作画も担当しています。

劇中には江戸時代中期の浮世絵が多く登場しますが、当時のようなデフォルメされた表現ではなく、浮世絵らしい線・塗・刷りの質感を追求しながらも、現代の役者の特徴や表情を残しつつドラマ本編の世界を浮世絵風にデジタル作画しています。
各話に登場しますので、ぜひお楽しみにご覧ください!

第6話より「日光社参」の浮世絵風イラスト

大河ドラマ『べらぼう』のVP制作秘話はこちら