VOICE

2020年掲載

グラフィックデザイナー

デザイン

2016年入社

わかりにくいものをわかりやすく伝えるデザインの仕事をしたい

私は小さいころから、家族が仕事で使っていたたくさんの画材に囲まれて育ちました。そんな環境からか、絵を描くことが大好きでした。オリジナルの教科書を作ってみたり、小さいころからデザインのようなことをするのが好きだったんです。勉強よりも絵を描くことが好きで、アトリエにも熱心に通って絵を学びました。
そんなときに出会ったのがEテレの教育番組です。授業で学んだときは難しくて分からなかった内容でも、番組ではわかりやすいグラフィックや、ときにはかわいいアニメーションで解説されていたので、私はだんだん映像で学ぶおもしろさのおかげで勉強をすることが楽しくなりました。
高校生のときに知ったデザイン業界で活躍する“アートディレクター”という職業に就きたいと思い、美術大学に進学しました。
大学の同級生の多くは広告業界を目指したのですが、私はサービスや製品について情報発信するためのデザインより「世界ではどんなことが起きているか、自然現象がどのように起きているのか」といったちょっとわかりにくいものをわかりやすく伝えるデザインの仕事をしたいと思い、NHKアートに入社しました。

美しい映像を邪魔しないグラフィックを考える

私はグラフィックデザイン部に所属してアートディレクターという役割を担っています。
グラフィックデザイン部では、NHKの番組に関するロゴやイラスト、テロップ、スタジオフリップ、データ放送、ポスターやアニメーションなどさまざまなものを制作しています。
最近、私が担当した番組のひとつにBS4K開局1年記念番組として放送された「アフリカ サファリツアー大中継 体感!野生動物の楽園」(2019年11月放送)がありました。
その中で私は番組のロゴからテロップやCG、タンザニアの世界遺産「ンゴロンゴロ保全地域」で行う生中継で使用する解説フリップや小道具などのアートディレクションを担当しました。

番組で映し出されるアフリカの生命の力強さや美しさを表現したいと思い、タンザニア発祥のポップアートであるティンガティンガを、デザイン全体のエレメントとして取り入れたものにしました。
4Kかつ生中継の番組なので、テロップのデザインは4Kの美しい映像を邪魔しないよう書体選びや文字の大きさを選定しました。現地で使用する解説フリップや小道具は、天気が変動しやすいンゴロンゴロ保全地域でも使用できる防水加工を施すといった工夫をしました。
本番直前のリハーサルで上手くいくかハラハラしましたが、私たちが制作したものが現地の自然や動物たちとともにリアルタイムで放送された時は、この番組に携わることができてよかったと思うと同時に、大きな達成感を感じました。