VOICE
2025年5月掲載
番組美術デザイナー
番組セットや空間デザインの仕事とは
2017年入社番組美術デザイナー K(美術業務部所属/2017年入社)
『NHK紅白歌合戦』のセットデザインをセカンドデザイナーとして担当
私たちNHKアートの番組美術デザイナーは、NHKのデザインセンターでNHKのデザイナーの皆さんと一緒に働いています。
私は主に『Venue101』や『SONGS』などの音楽番組のセットデザインを担当しています。
昨年末に開催された『第75回NHK紅白歌合戦』のデザインチームにもチーフデザイナーに次ぐセカンドデザイナーの立場で参加しました。

入社から今までを振り返って
入社直後は報道部に配属され、ニュースグラフィックスを数年間担当しました。入社前から教育番組のセットデザインに携わりたいと考えており、異動を希望しました。
異動後は教育番組をいくつか担当し、経験を積むなかで、音楽番組も華があっておもしろそうだと思い、希望を伝えて担当させてもらうことができました。
番組美術デザイナーの仕事は、セットのデザインを決めるだけでなく、テレビの画面に映るものすべてをデザインすることです。
特に音楽番組では、曲の中でのセット展開に変化をつけたり、セットの電飾やステージの照明が光ったり消えたりするタイミングを、演出、照明、カメラなどの各担当者と細部まで話し合って決めたりする過程にとてもやりがいを感じます。
この仕事の魅力ややりがい
演出サイドの希望にどのようなデザインで応えるかはデザイナーによって異なるものだと思いますが、自分なりの答えとして好きな絵を描くことができることが、この仕事の魅力だと感じています。
予算に収まらなかったり演出サイドの意図と異なったりする場合はやりとりをして修正し、完成した映像がきれいにテレビに映っているのを見ると、テンションが上りますし、やってよかったと思います。
音楽番組を担当しているとNHKホールや放送センター内のスタジオの立ち会いを担当することが多く、ほぼ渋谷で勤務しています。
勤務時間は日によって異なり、フレックス制度を利用して、撮影スケジュールにあわせて早めに出社したり、仕事が落ち着いているときは午後から出社したり、半休を取ることもあります。
業務の進め方次第で、平日に休暇を取ることもありますし、休日には釣り部(社内の部活動)にも参加しています。
また、最近では初めての番組外業務として、海外の美術館の展示映像のアートディレクションを担当しました。いつか現地に行ってみたいです。

番組美術デザイナーを目指す皆さんへ
相手の言葉や頭の中のイメージを絵にすることで、他の人と共有することができるようになるー番組美術デザイナーは、それをお手伝いする仕事だと思っています。
伝えるためのツールとして、私はVectorworksを使用することが多いですが、学生の頃から使用していたIllustratorやPhotoshopなども使用します。SketchUpなどを使う人もいます。
これらのツールは、使う機会があればぜひ触ってみるとよいと思いますが、入社後・配属後に勉強すれば十分身につけることができます。
手描きのデザイナーもいますし、自分の好きなツールを使用し、デザインを伝えることができれば大丈夫です。
絵だけでは伝わらない部分を言葉で説明することも、デザインを実際にかたちにしていく上で大切にしています。

※『NHK紅白歌合戦』の番組美術デザイナーのしごとはこちら