VOICE
2025年5月掲載
部署を超えた協力体制でNHK紅白歌合戦を支える!
2025年3月開催 「NHKアートライブセッション2026(第1部)」
『NHK紅白歌合戦』には、NHKアートだけでも、番組美術デザイナー、美術進行、大道具管理、グラフィックデザイナー、CGや映像のアートディレクター、音響・照明、舞台管理、イベントなどさまざまな部署のメンバーが携わっています。
『第75回NHK紅白歌合戦』(放送:2024年)を例に、NHKアートの業務の一部をご紹介します。
※2025年3月に開催したオンライン会社説明会「NHKアートライブセッション2026」の第1部「NHKアートの仕事ってなんだろう?」でご紹介した先輩社員の声を一部お届けします。

Q.「番組美術デザイナー」の仕事とは?
番組美術デザイナー K(美術業務部所属/2017年入社)
番組制作側から演出のイメージや希望を聞いて、セット、グラフィックなど番組全体のデザインの方向性を決め、かたちにしていく仕事です。
私たちNHKアートの番組美術デザイナーは、NHKのデザインセンターで一緒に働いています。
『第75回NHK紅白歌合戦』では、4名のデザイナーでNHKホール部分を担当しました。NHKホール以外にも、さらに数名のデザイナーがスタジオや別会場のデザインを行っています。
今年、私はチーフデザイナーに次ぐセカンドデザイナーの立場でNHKホール部分のデザインを担当しました。
まず、「あなたへの歌」という番組テーマを聞き、どんなデザインにするかをチームで考え、演出サイドと打ち合わせを重ねて決めていきました。
打ち合わせの中で演出サイドからあがった「包みこまれながらお客さんに向かって広がっていくような形にしたい」というキーワードをもとに、現在のかたちになりました。
ステージの奥のLEDパネルの配置や、LEDパネルが上がると後ろに現れるアーチのかたちや、床の模様、MCパネルの形状などもテーマにあわせてチームでデザインしました。
『第74回NHK紅白歌合戦』(放送:2023年)も、セカンドデザイナーとして担当しました。 2023年のテーマは『ボーダレス -超えてつながる大みそか-』。セットが背景に溶け込んでいくような、流れるようなかたちをイメージしてデザインしました。

Q.「番組美術制作」(美術進行)の仕事とは?
番組美術制作ディレクター S(制作部所属/2016年入社)
「美術進行」あるいは「美術ディレクター」として、デザインプラン・演出プランをかたちにする仕事です。
番組美術デザイナーと同じく、美術進行も美術プロデューサーと美術ディレクターで数名のチームを組んでいます。
『第75回~』では美術進行のセカンドとして、メインセット以外のオプションセットや一部の演出発注を担当しました。
具体的には、司会者の背景に映るMCセット、客席の中に設置されたステージ、一部のアーティストのステージなどです。
番組美術デザイナーのデザインプランを現実のセットとして立ち上げるため、どう実現するかー作り方はどうするか、素材をどう手配するか、金額は適正か、搬入から運用~撤収まで何人のスタッフが必要か、などーをコントロールしながら、よりよいものを作れるように、必要なものをコーディネートしています。
予算管理など難しいこともありますが、関係先と協議を重ね、運用時に安全かつデザインプランに沿うものを納品することを強く意識しています。
Q.「CG・VFXアートディレクター」の仕事とは?
CGアートディレクター S(デジタル・グラフィック部所属/2023年入社)
私はCG制作のアートディレクターとして、『NHK紅白歌合戦』のアートディレクションチームに参加し、セットのLEDパネルに映し出される映像制作を担当しました。
同じ「デザイン」の仕事でも、番組美術デザイナーは演出側と話し合って番組全体の方向性を決め、空間や映像のテーマをつくる役割で、私たちアートディレクターは、そのイメージに基づいて、具体的な映像の内容や見せ方を考えます。
アートディレクターとデザイナー・クリエイターの数名のチームで作業を行い、アーティストの曲のテイストや歌詞の内容からインスピレーションを得て、曲の世界観が引き立たせられるような映像をデザインし、動きも含めて設計・製作しています。
番組美術デザイナーからセットの概要を聞いて、セット内での映像の映り方を確認し、映像の動かし方や最終ルックを考え、演出チームの映像担当者と相談しながら決めていきます。
今回のセットは短冊形のLEDパネルが曲ごとに形を変えるようなデザインだったため、ひとつひとつの短冊に違う映像を映したり、全体でひとつの絵にしたり、曲ごとに変化をつけることができました。
セットのデザインに合わせた、効果的な映像演出を考えながら、舞台で映える、パワーのある映像を作ることを常に意識しています。

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