VOICE

2021年8月掲載

CG/VFXデザイナー

デザイン

VFX制作 2014年入社

あこがれを仕事に

子どものころ、父に連れられてよくハリウッド映画を観に行きました。それらの映画の影響を受けて、VFXという仕事に漠然としたあこがれを持つようになりました。
本格的に興味を持ち始めたのは大学時代、映像を専門に学ぶことができる学校を雑誌で見つけたことがきっかけです。
お金を貯めて、その学校に1年間通い実写合成やCGの具体的な技術を知り、もっと深く学びたいという欲が芽生えました。
ふたたびお金を貯めて、本場のVFXを学ぶために渡米しました。
そして今、NHKアートでVFXを自分の仕事としています。

VFXで空気感を演出する

NHKアートでは、NHKスペシャルのようなドキュメンタリーのオープニングタイトルや解説CG、エンタティンメント番組などに活用されるバーチャルセット、ドラマの中で演出やリアルなセットに調和するVFX、手描きアニメーション風のCGなど、幅広いNHKの番組に対応できるようさまざまなCG制作を行っています。

私が制作するVFXとは、映画やテレビドラマなどの映像作品において現実には見ることのできない画面効果を実現する視覚効果です。
近年はテレビ番組にも多くのVFXが活用されています。現実には見ることができないもの、例えば恐竜はもちろん今、現実には見ることができません。NHKスペシャル『恐竜超世界』(2019年放送)で躍動する恐竜はCG/VFXによって表現されています。
恐竜や宇宙のように時や次元を超えた世界、また細胞といったミクロの世界まで、CG/VFXというデジタルの技術を使って表現することができるのです。

私は、主にドラマのVFX制作を担当しています。
大河ドラマに代表される歴史ドラマでは、ドラマで設定する時代の建物や、山や街並みといった背景を制作し、スタジオセットや屋外のセットで撮られた映像に合成する一方、その時代にはない現在の建物や街並みを見えなくするという加工も行っています。
また歴史ドラマでは、合戦シーンが多く見られますが、その中で飛び交う矢をVFXで表現するとより印象的な動きを表現することができます。

私たちが作るドラマのVFXというのは、CGで制作されるNHKスペシャルのオープニングタイトルのように象徴的なものではなく、あくまでもリアルな美術を補完するものです。
そのために、私はいつも撮影素材とVFXとの調和を考え、背景の設計や素材の選定を丁寧に行うように心がけています。

この大河ドラマ『麒麟がくる』(2020年放送/第2回稲葉山のシーン)のシーンでは、CGで制作した家々の配置のバランスを考えて設計し、この映像の奥行き感を出すために空気感をVFXで演出しました。

自分自身が楽しんで仕事をする

自分が携わったテレビ番組を見た友人や家族から感想を聞いたり、メディアの話題になったりすることはとてもうれしいことですし、大きなモチべーションになっています。
「自分自身が楽しむ」ということを、仕事をするにあたっていつも大切にしています。
案件の大小に関わらず、自分のテンションが上がる目標を立て、その目標に向かって進めていくように心がけています。それが、自信のレベルアップにもなり、チームで仕事をする上でもよい影響を与えることを実感しています。

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