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2024年3月掲載
プロジェクト写真

もうすぐ2年生!

~入社1年目を振り返って

2023年にNHKアートに入社したふたりに、就職活動から入社1年目までを振り返りながら、今後の仕事にかける意気込みを聞きました。

対談メンバー

  • O(制作部 一般番組所属/2023年入社)
  • K(デジタル・グラフィック部 グラフィックデザイン所属/2023年入社)

Q. この1年で特に印象に残った仕事について教えてください!

O:10月に開催された、Eテレ『沼にハマってきいてみた』のイベント「ヌマーソニック2023」が印象に残っています。スタジオ外で行われる番組業務に携わるのは初めてで、2日間の開催期間中に来場者の方々の喜ぶ表情を見ることができ、感動しました。
現在は「ゴー!ゴー!キッチン戦隊クックルン」の美術進行として新年度対応のほか、「アートではじける!子どもの力」という番組で初めてチーフ美術ディレクターを担当しています。

K:Eテレで1月に放送された、「かぞえるひとたち」のグラフィックを担当しました。オープニングのアニメーションのコンテを制作したり、タイトルロゴやテロップを作ったり、アートディレクターとしての仕事を初めてしっかりと務めた番組で、初めてエンドロールに名前が載り、心からうれしかったです。何度も見返し、友人たちと上映会もしました。

写真左:「かぞえるひとたち」(放送:2024年1月)のロゴとグラフィック
写真右:制作時のデザインメモ

最近では、4月7日まで開催中のテレビ美術の展示会、「テレビ美術のうらおもて」展のアートディレクションに参加し、チラシビジュアルや会場の展示パネルなどのデザインを担当しました。

放送ライブラリー企画展示「体験!体感!!テレビ美術のうらおもて」チラシ

Q.大学での専攻と、NHKアートを志望したきっかけを教えてください

O:大学では、芸術学部でプロダクトデザインを専攻し、専攻に限らず織物・粘土など、興味がある授業は片っ端から受けて、美術について広く学びました。
もともとテレビ美術に興味があり、就職活動をしていましたが、NHKアートはテレビ美術以外にもイベント業務やホール管理など、業務範囲が幅広くさまざまな経験ができるところに魅力を感じました。

K:美術大学のデザイン科で、デジタル、立体、web、3Dなどのさまざまなデザインやアートディレクションを学んだり、授業以外でも同級生とデザイン系のコンペティションに参加したりしました。
私は2011年の東日本大震災で被災して以来、NHKのさまざま番組に元気をもらって育ったことから、今度は自分が作る側になってさまざまな環境にいる人に少しでも力を与えるようなものが作りたいと思い、NHKアートを志望しました。

Q.NHKアートってどんな会社?

O:アットホームな会社だと思います。分からないことがあったら親身になって話を聞いてくれる優しい先輩がたくさんいます。生活の大半が仕事場になる社会人にとって、周りの方に恵まれているというのは大事なことだと思いますが、NHKアートはその点心配ないと思います。

K:入社してから、NHKアートってこんなこともやっているんだ!という発見が多かったです。長年この会社で働いている方が多く、テレビの歴史や変化を知ることができたり、先輩たちの熱い話を聞いたりするのはとても面白く、自分のしごとに対して誇りを感じます。

Q. 仕事の日と休日の過ごし方は?

O:仕事の日は、フレックスタイム制度を利用しながら、打ち合わせや収録の時間に合わせて出勤しています。入社したばかりの春の頃は生活リズムを合わせるのに苦労しました。
のんびりした時間を過ごすことが好きで、休日はとにかく体を休めることを優先しています。予定を決めずに気になっていたお店に行ったり、映画館に行ったり、リフレッシュのために趣味のスーパー銭湯に行くこともあります。

K:仕事はシフトベースの早番・遅番・何曜日担当と「当番」が決まっていますが、フレックスタイム制度を利用するなど、仕事の時間は調節しやすく、休暇も取りやすいです。基本的にデスク作業でずっと室内にいるので、休日は友人と遊んだり展示を見に行ったり、外に出ることが多いです。
入社前は、休日も仕事のことを考えてしまうのではないかと不安に思っていましたが、休日になるとパッと切り替えて仕事のことは考えずに過ごしています。仕事とプライベートでメリハリのある生活は、とても居心地がいいと感じています。

Q. しごとの大変さややりがいは?

O:「美術進行」は、番組デザイナーや演出担当者のさまざまなイメージや要望をかたちにする仕事です。スケジュールや予算を管理しながら、番組のセットや小道具などを作り出すために最善を尽くすのは、大変ではありますが、やりがいを感じます。
社内外を問わず関係する人がとても多いため、人と話す機会が格段に増え、最初は戸惑いもありましたが、自分で選んだものがテレビに映ることがなによりうれしく、この仕事について良かったなと思います。
図面から情報を読み取り、美術セットを製作し、実際に形になってスタジオに建てられる――図面という平面上で考えていたことが立体になる瞬間を目の当たりにするたび、ものづくりのおもしろさを改めて実感します。

K:半年ほど研修期間があったため、配属後、デザイナーとして業務を始めてからはまだ半年程度ですが、そんな日の浅さとは思えないくらい、いろいろな仕事を経験しました。こんな大きい番組に新人の自分が関わっていいの!?と思うことも。
今はアートディレクターとして、常に複数の業務をかけ持ち、それぞれの締め切りと配分を把握しながら業務にあたっています。忙しいと感じることもありますが、今の仕事が好きで、苦に感じたことはあまりありません。デザイン次第で番組の完成形が大きく変わることは、難しくもあり、おもしろくもあります。文字が並んだ企画書にデザインの力を加えることによって、一つの番組の世界観を丸ごと作り出せることが、この仕事の魅力だと思います。

意外なポイント!

O:美術進行は、とにかく歩きます!配属前は想像していませんでしたが、毎日15,000歩くらいは歩いていると思います。

K:デザイナーは、服装がとっても自由!周りのデザイナー職の人たちのおしゃれやこだわりに、日々影響を受けています。
Oさんの話を聞いて、美術進行の仕事はデザイン職よりもっと人と人との距離が近い印象があり、少しうらやましくも感じます。

Q. 学生時代の経験は業務に生かされていますか?

O:学生時代は「作る」ことが中心でしたが、美術進行の仕事は各所に発注する製作物を管理する立場。大学での経験がそのまま生かされるわけではありませんが、何事にも興味を持って取り組んで知識を蓄え、これから経験することを業務に生かそうと、日々学びながら必死に食らいついています。

K:テレビのことやデザインのことは入社してから十分学ぶことができますが、自分の引き出しを増やすという点では、いろいろな人の作品を見る機会が常にあった学生時代の経験や環境が生きていると感じます。テレビ番組の内容は多岐にわたるため、デザインや表現も番組ごとに180度変わり、自分の得意な表現だけでは太刀打ちできない難しさがあります。デザイナーを目指す皆さんには、さまざまな分野の展示会を見たり、色々な作風の人に接したりすることをおすすめします。

Q.今後の目標を教えて下さい!

O:まだまだ知識も経験も足りず、落ち込むこともありますが、今の時間は必ず将来のためになると考え、まずは経験を積み、知識を蓄えていきたいです。「即行動・即断即決」というテレビ業界のテンポを自分も身につけていかなければと感じています。

K:最近は新番組や番組リニューアルなどでデザインを1から組み立てる仕事が多く、大変な部分もありますが、やりがいも大きく、どの仕事も学びになっていると感じます。まずはさまざまな仕事のスタイルや進め方を知り、1人で仕事を回せるようになること、いつかは「この仕事は自分に任せたい」と言ってもらえるようなアートディレクターになりたいです!