COLUMN

2023年4月掲載

「サステイナブルな美術制作」へ
「action つくる みせる すてる」展示会

皆さんこんにちは!事業開発の部門に所属している美術ディレクターのKです。
NHKアートでは2021年12月から、社内プロジェクトを立ち上げて美術制作の環境負荷削減に取り組んでいます。私はプロジェクトのメンバーとして、サステイナブル素材と呼んでいる環境負荷の少ない美術素材の調査研究や、現場で使ってもらうためのコーディネートを主に行っています。 サステイナブル素材の研究とSDGsへの取り組みはこちらでも紹介しています。

先日、プロジェクトのこれまでの活動とこれから目指すことを提案する展示会「action つくる みせる すてる」を開催し、たくさんの方にお越しいただきました。 ここでは展示会ができるまでと会場の様子をご紹介したいと思います。

設計を担当したOさん(美術ディレクター)と会場の入口にて(筆者:左)

「つくる みせる すてる」に込めたコンセプト

会場は「つくる」「みせる」「すてる」というワードでゾーン分けをして、プロジェクトの活動と提案を紹介しました。
例えば「すてる」のゾーンでは、「すてるを考える」というテーマで、リサイクル率アップへの取り組みや、廃材や端材を使ったワークショップ活動を紹介しました。
私たちNHKアートの仕事のメインは物を作って見せることですが、最後の捨てるところまで責任を持って考えないと、環境に対応した美術制作とは言えません。
この3つのアクションを一貫して、トータルコーディネートできる会社を目指したい…というのが今回のタイトルに込めたコンセプトです。

【「つくる」ために】
美術のパーツ「箱馬」を紙・廃棄衣料のアップサイクル材に素材に置き換えて製作。
製作物の安全性や耐久性、操作性など様々な面から検証しています。
【番組を「みせる」】
サステナブル素材を活用して製作した番組セット事例を紹介。
実際の素材を手に取って見ていただきました。
【「みせる」の提案】
これからの「サステイナブルな美術」にむけて、プロジェクトが考えるデザインや製作物を展示しました。使い終わった衣裳から素材やアップサイクル塗料で作った、什器やデザインボードを製作しました。
「すてるを考える」のコーナー
美術製作で出た廃棄物の中から、分別して回収することでリサイクル可能な資源を展示

会場計画・デザイン/設計・ロゴデザイン・製作管理をすべて社員で

今回の展示会は、社内の複数の部署からなる”美術用品のSDGs対応プロジェクト”のメンバーが中心となり、すべて社内で制作しました。なかでも入社4年目のHさんは普段は大道具製作管理ディレクターをしていますが、今回はデザイナーとして会場やポスターのデザインのほとんどを担いました。
これまで展示会の仕事を請けたことは何度もありますが、自分たちの展示会を作るのは初めてでした。それぞれ違うスキルを持ったメンバーが、得意なことを活かして、みんなでディスカッションを重ねながらひとつの場を作り上げられたことに感動しました。

会場設営の様子。製作管理はKさん(大道具製作管理ディレクター:中央)
ロゴデザインをプレゼンするHさん(大道具製作管理ディレクター)

これからの「サステイナブルな美術制作」への想い

今環境対応した美術制作は、NHKグループの会社として果たさなければいけない責任であり、これからのビジネスチャンスでもあると思います。そしてまだ知らないことや新しいことに取り組むのは本当にやりがいがあります!
NHKの番組や、NHKアートが携わるイベントや展示を通して、皆さんのところにも私たちのサステイナブルな美術をお届けすることができれば嬉しいです。

筆者K(美術ディレクター)

「action つくる みせる すてる」
会期:2023年3月1日~3日
会場:NHKアート会議室
NHKアート従業員、NHK、NHK関連団体、協力会社にむけて開催