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連続テレビ小説「花子とアン」美術制作・美術進行第38回エランドール賞 特別賞受賞 第41回 伊藤熹朔賞 テレビ部門 本賞受賞



山梨上帯那に建てたオープンセット

第90作目の連続テレビ小説として、2014年4月から放送された人気ドラマ「花子とアン」。
このドラマには主人公の山梨・甲府の生家や、東京の女学校、出版社や村岡家など様々な場所のセット、関東大震災や太平洋戦争のシーンなど様々なシーンの美術が登場しました。
弊社ではそれら美術のセットや衣装、小道具などリアルな美術のみでなく、デジタルの美術であるVFX映像の制作も含めた全ての美術制作・美術進行を担当しました。
「花子とアン」の美術は、日本映像美術協議会が主催する「第11回JVA賞」において、デザイン美術制作部門 部門賞を受賞しました。
「花子とアン」のVFXについては、NHKオンデマンドでも見ることができます。また主人公の生家のシーン用に造られたオープンセットは、2014年10月、韮崎市民俗資料館に移築されました。

■番組公式サイト:
http://www9.nhk.or.jp/asadora/detail/090hanakotoan/story/


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オープンセット建て込み前の棚田

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職人の方々による藁葺き作業

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小道具が飾られた縁側の様子

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安藤家のスタジオセット


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九州の炭鉱王 嘉納伝助邸セット

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東京大森の村岡家 書斎のセット


<担当者コメント>

「花子とアン」主人公、村岡花子の生家のセットは山梨県甲府市の休田地にオープンセットとして設営し、場所の選定から設営完了まで3ヶ月を要しました。設営場所は、昇仙峡手前の上帯那という山深い棚田。山道と農道を挟んだ場所にて、通常の施工よりは特殊なクレーンなども使用しての作業となりました。本茅葺の屋根は、セットとして使うことが重量や萱の手配がつかないといった点にて、タブーとされている中、山梨の工務店の協力により、萱の手配、葺き職人など、普段できないことが実現いたしました。地元の工務店と、大道具美術会社とのコラボレーションにて、最終的にはロケ地に馴染み、地元住民も驚愕の仕上がりとなりました。出来上がる工程、茅葺職人さんへのインタビューなど、番組美術の一端を、地元メディアに取り上げられたことは大変嬉しく思いました。
花子の生家セット以外にも、大正ロマンを体現したカフェドミンゴのセット、九州の炭鉱王の嘉納家といった、高価な調度品にあふれた気品あふれるセット、ヒロインの結婚後の住まいとなる東京大森の村岡家。冒頭の東京大空襲の中、赤毛のアンの原書を持って逃げる重要なシーンにおける、書斎のセット。時代設定、場所も違う多種多様なセットが出てきます。それぞれの地域性、時代考証を基礎とした、時代の空気感がテレビ美術を通して表現できたのではないでしょうか。テレビ映像美術という分野は、総合芸術としての体現です。大道具のみならず、装飾、扮装、料理など全てに配慮なくしては実現いたしません。
また、このドラマでは明治、大正、昭和の三時代にわたる壮大な時代の風景において、現代では撮影不可能なシーンも多くありました。それらを映像化したVFXによるデジタル美術と、リアルな番組美術が融合し「花子とアン」の世界観は出来上がりました。

担当:番組美術部 ドラマ番組 竹野 修、佐藤綾子