活動主旨及び内容
渋谷音楽祭 NHKアートPresents ハートフル・ミュージック・コネクション「こころつなぐコンサート」は、聴覚に障害をお持ちの方々と聴者の方々が、共に音楽の感動を体感していただけるよう、平成25年11月10日(日)と平成26年10月19日(日)に開催されました。
出演は、これまで13年間、“音楽を楽しむことに耳の障害は関係ない”をコンセプトに、全国各地で公演している、ろう者・聴者で混成される手話バンド“こころおと”。
様々な演出により聴覚に障害をお持ちの方々と聴者の方々が、大人も子どもも、垣根無く音楽を楽しんでいました。
〈第8回渋谷音楽祭 NHKアートPresents ハートフル・ミュージック・コネクション「こころつなぐコンサート」〉
手話バンド“こころおと”の手話表現の音楽に連動して変化する、インタラクティブ映像とともに、会場の床に敷かれた振動を伝えるマットや、新しく開発した5本の指先で音楽の振動を感じる“KIKIMIMI”システムを活用した「音楽体感空間」の中で、約100名の来場者が一体となって音楽を楽しんでいました。
弊社は、インタラクティブ映像制作や、"KIKIMIMI"の共同開発に携わりました。
開催日時:平成25年11月10日(日)
1回目公演:14:00~15:30
2回目公演:16:00~17:30
開催場所:日本経済大学大学院246ホール
■インタラクティブ映像
楽器の演奏操作や発生する音自体を認識し、その音色を強弱を解析してリアルタイムに映像を生成することで、生演奏に完全に同期した演出をお届けすることができます。
協力:NECディスプレイソリューションズ株式会社
それぞれの楽器の音が、異なる色の泡の映像で表現されます。
■KIKIMIMI
KIKIMIMIは小型で、かつ強い振動を出力することができる圧電素子をグリップ形状に取り付けた音響体感デバイスです。音を別の感覚器で感じる「第三の耳」という意味を込めて、耳をモチーフにデザインされています。 KIKIMIMIを握ることで、各演奏のパートを振動として感じることができ、音楽の形を楽しめる楽器です。
デバイス開発:金箱 淳一(楽器インタフェース研究者/筑波大学博士後期課程在籍/Generative Idea Flow所属)
共同開発:NHKアート 電子映像開発プロジェクト
資材提供:株式会社スライブ
〈第9回渋谷音楽祭 NHKアートPresents ハートフル・ミュージック・コネクション「こころつなぐコンサート」〉
平成26年10月に開催された第9回のコンサートでは、ライブ前に行うワークショップにおいて「水彩画ペイント・システム」を使い来場された子どもたちに描いてもらった絵が、ライブの中で、音と連動するインタラクティブ映像に使用されました。ライブの前に“こころおと”の「見ているだけじゃなくて参加しよう!」の一言から始まったワークショップでは、来場した約50名の子どもたちが虹やウサギ、カボチャなどそれぞれの絵を楽しそうに描いていました。ワークショップの時間には、来場者がバンドのメンバーとともに楽器を演奏し、音からあふれでる映像を楽しみました。
その後のライブでは音と映像が一体となった全7曲が演奏され、最後の曲「スケッチブック」では子どもたちの描いた絵が映像として映し出され、約100名の来場者の笑顔があふれるエンディングとなりました。
NHKアートは、映像や照明など全体を弊社のスタッフが設計からオペレーションまで行いました。
開催日時:平成26年10月19日(日)
ワークショップ 15:00~15:30
ライブ 15:30~16:30
開催場所:日本経済大学大学院246ホール
~“こころおと”さんからコメントをいただきました~
今回参加された子供たちの多くは耳の聞こえない子供たちでした。その子供たちにとっては楽器もライブも、それ以前に音楽ですら初体験という中で、NHKアートの皆さんと力を合わせて、音楽を目で楽しむことが出来るような演出でお届け出来ました。耳の聞こえない人にとって、音楽は異国の文化と等しいくらい距離があるものです。手話バンドこころおとは手話で歌うことによってその垣根を取り払ってきましたが、今回はいつも以上に壁がなくなったと思います。子供たちからは「楽器がほしい!」や「音楽って楽しいかも?」という嬉しい声も聞こえてきました。このような機会を与えてくれたNHKアートの皆さんには本当に感謝しています。
こころおと代表 武井誠
こころおとオフィシャルホームページはこちら http://kokoro-oto.com/
■インタラクティブ映像 全シーン
■水彩画ペイント・システム
タブレット端末上で、導電性の毛筆「デジタル絵筆」(市販)や指先を使用して、自由に彩色や混色ができる水彩画パレット状のインターフェースにより、子どもをはじめとしたイベント参加者が簡単に絵を描くことができる弊社開発のシステムです。
<お問い合わせ先>
株式会社NHKアート
電子映像開発プロジェクト
電話:03-3481-2892
FAX:03-3481-2906